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淡雪

第1章 15の春

温かいオイルとこの香りと槇さんのしなやかな指


すっごく気持ちいい...


あードラマの撮影なんて行かずにここにいたい。


この膝の上で眠ってしまいたいなぁ



なんて夢心地に浸っていたら


上から槇さんの声が降ってくる。



「田辺くん、ドラマ初めて?」



「はい」


「高校生の役なんでしょ」


「はい」


その間も槇さんのしなやかな指は僕の肌をくるくると踊るように動く。


「高校生が10歳も年上の女性に恋する話でしょ」


「そうみたいです」


「田辺くん、恋したことある?」


「え?ど、どうかな...」


もしかしたら、今この瞬間僕は恋に落ちたかもしれない。





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