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淡雪

第6章 坂井 賢夢

『いいけど...

 でも俺明日、拓也と映画行く約束してるし』

俺が興味なさげにいうと

『そんなのいつでも行けるでしょ!』


『母さんだって仕事だろ。

 だいたいこっちの都合も聞かずに勝手だよ』

『あんたねJさんだよ!

 断る理由が分からない!』


姉は勝手に怒っている。


『かぁさーん!!』


母親のもとへ駆けていってしまった。


女とは恐ろしい生き物で、stampのコンサートが見られるというだけで母親は仮病を使い会社を休んでしまった。

俺が病気の時はあれほど仕事が休めないと文句を言うくせになんなんだよ。


結局俺は拓也との映画を断らされ見たくもないstampのコンサートへ連れていかれた。

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