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齧りかけの林檎

第1章 ● 真っ赤な君 ♀side




な、何!?




「あ・・・あの!!!

 あの、おれ・・・!」




「う、うん。

 とりあえず起きよう?

 服濡れちゃうし、ほら」




わたしが先に立ち上がり、

掴まれたほうの手をくいくいっと引っ張る。



男の子はゆっくりと立ち上がると

少しだけ手をギュッと握り、

綺麗な焦げ茶色の目で見つめてきた。




くりっとした二重の目で見つめられ

手もこんなにギュッとされたら、

いくら一回り程、年の離れた男の子相手でも

ドキドキしてしまっている自分がいる。






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