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齧りかけの林檎

第5章 ● 君の名前 ♀side




浮かれているわたしは、

「佐伯さんって彼女とかいらっしゃらないんですか?」

と、別に仲良くもないのに聞いてしまった。



彼の目の端がピクッとしたことを、見逃さなかった。



やったしまった、またやってしまった。



なんでこうわたしという生き物は、失礼なことばかり言ってしまうのか。



頭の中でだけにすればいいのに。


なぜそれを口に出してしまうのだろう。








「彼女はいませんが、気になっている女性はいますよ」



少し怖い笑みを見せた、佐伯さん。



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