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齧りかけの林檎

第6章 ● 君の名前 ♂side




彼女のことは夏からずっと見ていた。



おれの片思い。



見てただけだから知らなかった。













「ねぇ、おれにも名前・・・教えて?」













彼女は少しだけ、はっとしたような顔をして



「そうだった!

 わたしの自己紹介もまだだったね!

 わたしの名前は、ゆり。

 野上ゆりだよ」













君を見つけてから半年。








今はじめて彼女の名前を知った。














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