齧りかけの林檎
第6章 ● 君の名前 ♂side
「ハァ・・・ハァ・・・大丈夫、
なんか今日走ってばっかりだ」
彼女がニッコリと笑う。
「あの2人は学校のお友達?イケメンだったねー!
さすが歩くんのお友達ってかんじだった。
歩くんの名前も、今日はじめて知ったよー!」
確かにあいつらはイケメンだけど、
なに?
おれよりあいつらのほうがいいとか?
おれと同い年なんだから、おれでよくない?
少しだけあいつらに嫉妬した。
でもあいつらのおかげで、
彼女に名前を呼んでもらえたんだから
しょうがない、今回は許してやろう。
そんなことよりおれは、彼女に聞かなければいけないことがある。