齧りかけの林檎
第6章 ● 君の名前 ♂side
「歩くん?おーい、決まった?」
どうやら脳内乙女トリップしている間、
ずっと、おれを呼んでいたようだった。
「え?あ、ごめんごめん。
おれカルボナーラがいい。
あとー、この葉っぱみたいの
いっぱい乗ってるピザがいい」
クスクス、と笑いながら
「歩くんは表現がかわいいね」
なんて言ってきた。
子供扱いされたッ!
「ふーん、
おれに向かって
かわいいとか言っちゃう?」
悔しくて、顔をぐっ、と近づけた。
彼女の目におれだけを映す。
彼女の顔が、見る見るうちに真っ赤に染まる。
-----勝った!