齧りかけの林檎
第8章 ● 君の連絡先 ♂side
彼女は背負っているリュックを下ろし、ポケットからスマホを出した。
もう一度リュックを背負ったのを確認して、手を出した。
「ん、」
「ちょっと待って、まだつなげないよ。
このスマホ少し大きくて片手で操作できないの」
あ、今絶対かわいいとか思われた。
笑われてるもん。
クスクスと笑いながらスマホを操作している。
な、なにを焦っているんだ。
自分からアドレス聞いておいて、手繋げって催促するとか、
おれどんだけ。
っていうか、つきあってもいないのに
なにしてんの・・・!