齧りかけの林檎
第11章 ● 君とお鍋 ♀side
初めてこのお店で
チーズの盛り合わせを頼んだが、
クセのあるチーズもちゃんとあって
すごくおいしかった。
わたしはほろ酔いになりながら、
また歩くんのことを考えていた。
早くわたしの料理が食べたいって言っていたけど、
どうしよう。
社交辞令かもしれない。
歩くんには友達もいっぱいいて、
彼女だってすぐにできるだろう。
あんなにかっこよくて、
かわいくて、
背も高くて、
優しくて、
あんなに笑顔が素敵で、
ちょこっとキザっぽそうなかんじで・・・。