齧りかけの林檎
第2章 ● 真っ赤な君 ♂side
そんなある日・・・。
やばい!
今日は部活が長引いて、
いつもより少しだけ遅くなってしまった。
おれは体育館の中で部活をしていたから、
雨が降ってるなんて気付かなくて、傘も持っていなかった。
でも早く彼女に逢いたかったから走った。
週に1度逢えるかわからないから、
木曜日も金曜日も
部活が終わったら図書館に向かった。
たまには土日も来ていたけれど、
あまり彼女に逢える確立は高くなくて、
どうしても行きたかった。
ダッシュで図書館に向かうと
いつもより少し、照明が暗い気がする。
あれ?