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齧りかけの林檎

第15章 ● 君の気持ち ♂side




「つめてっ」


湿布をぺたっと貼り、

マネージャーはなにも言わないまま、

包帯を巻き始めた。





ゆっくり、ゆっくり、包帯を巻きながら

マネージャーの口が開いた。




「これくらい、大した事ないんだから

 体育館で言ってくれればよかったのに。

 ほんと歩って、甘えないよね」




「ちょっと考え事してて捻ったから、

 なんかダサくてさ。

 一人になりたかったし」




おれは怪我なんか滅多にしないし、

部員のみんなに心配かけさせたくなかった。




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