齧りかけの林檎
第15章 ● 君の気持ち ♂side
今までは、束縛とか本当にムリで、
そんなことされたら
シカトとかして、
終いには振られ、
だから気楽なつきあいしか
できなくなっていった。
おれだってダチと遊んだり、
部活の後にメシとか行きたいのに、
なんでわたし優先じゃないの?とか
ほんとにうざいって思ってた。
でもゆりさんに出会って、すきになって、
なによりも優先して図書館に行ったり、
部活も早く切り上げたりとか、
今までにないことばっかり
やっちゃってる自分がいて、
自分が一番ビックリしているんだよ。
だから、
「おれ重い女とか絶対ムリだけど、
ゆりさんだったら
すげーおもしろそうって、
今思ってるよ?」
って言ったのに、
また大泣きしながら
意味わかんないー、なんて言うんだもん。