齧りかけの林檎
第15章 ● 君の気持ち ♂side
彼女は、じゃあ、と言うと
「いつか、聞いてくれる?
わたしのこわいことの話」
って言って来た。
彼女の過去に
なにかあったことはわかる。
予想はつかないけれど、
彼女にとっては
何年もずっと
心の中にあったこと。
「うん、いつでも聞くよ。
おれはあなたの
彼氏になったんだもんね?」
真っ赤になって、俯いてしまう彼女。
え、違うの?
つきあってって、
すきだよっておれが言って
ゆりさんがおれのことすきって言ってくれて、
そしたらつきあうってことじゃないの!?