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齧りかけの林檎

第15章 ● 君の気持ち ♂side




彼女は俯いたまま


「か、彼氏さん

 これからよろしく、おねがい、します」



と言った。




えー、目を見ないで言うなんて

いくら恥ずかしくても

それはだめ。




「ゆりさん?

 ちゃんと、おれの目ぇ見て

 言って?」




「無理無理無理無理!」




「無理じゃないの、ほら、言って?」




おれはどうしても

ちゃんとおれのことを見ながら

彼氏だって言ってほしかった。




「ゆりさん・・・?」




モジモジと、指を動かす

おれの彼女。




「ねぇ、




 ・・・ゆり?」




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