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齧りかけの林檎

第16章 ● 王子様な君 ♀side




また少し、昔のことを思い出してしまったけれど、

今は歩くんが居てくれる。




もう昔のことは、思い出したくない。




「そうだね、おれが毎日ここに来たら

 毎日、いつでも、逢えるよね」



「えー、たまには本読ませてよ」



「おれがぎゅってしててあげるから

 読めばいいんじゃない?」




そんなの、集中できなさそうだ・・・。




彼はわたしのベッドに入ると


「おいでー」


と言って、

半分空いている側を、手でぽんぽんとしている。




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