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齧りかけの林檎

第18章 ● 君のために ♀side




何年も前に流行った曲だったけれど、

わたしの胸を高鳴らせるには充分だった。




歩くんは、どんな曲を聴いているのだろう。

どんなアーティストが好きなのかな。




こんなことを考えながらの帰り道は、

いつもと違って、とても幸せだった。




住んでいるマンションに着き、鍵を差し込むと

さっき彼と別れる間際のキスを思い出してしまった。




急に手を引っ張られたと思ったら、

唇にキスを落とす歩くん。




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