齧りかけの林檎
第18章 ● 君のために ♀side
「ありがとう、こういうの好き?」
「うん、でもいつものゆりさんもすき。
おれ以外にあんまり、
その顔見せないで」
「うん、歩くんと居る時だけにするね」
かわいいヤキモチはとても嬉しかった。
すると歩くんが、
ガサゴソとバッグの中から
何か取り出したみたいだった。
「ゆりさんにプレゼントがあります。
つきあった記念。
もらってくれる?」
片手にかわいくラッピングされた袋を持って、
空いた手でわたしの腰をぎゅっと抱いてきた。
彼からの小さなサプライズに、
わたしは涙が出そうになってしまった。
【第18章 君のために ♀side END】