齧りかけの林檎
第19章 ● 贈り物を君に ♂side
自分の横に置いたバッグの中から
あのラッピングされた物を取り出した。
「ゆりさんにプレゼントがあります。
つきあった記念。
もらってくれる?」
おれの人生初めての
ミニサプライズ、喜んでくれる?
片手はゆりさんの体をぎゅっとしたまま、
プレゼントを差し出した。
でも、腕の中の彼女はしばらく動かないまま。
「あれ!?ゆりさん!?」
心配になって話しかけると、
涙声で
「こんなの初めてで、
すっごい嬉しい・・・」
と言ってくれた。
まさか中身も見ないで
泣かれるなんて思ってもみなかったから、
「と、とりあえず開けてみて!
喜んでくれるといいんだけど」
って、少しどもってしまった。