齧りかけの林檎
第3章 ● 待つ君の ♀side
昨夜は家に帰ると、スマホを持って湯船に浸かった。
このスマホが防水でよかった・・・。
マッサージやら、肌が綺麗に見えるファンデーションの塗り方やら、美容に関しての情報をネットで探していた。
最近、いやここ数年・・・?
美容系の本なんて買っていない。
5年も彼氏がいないから美容系の本を買わなくなるのか、買わないから彼氏が出来ないのか・・・。
やっぱり本屋に寄ればよかったのだろうか。
男子高校生にタオルを返してもらうだけで、この浮かれようはなんだろうか。
あの男子高校生がかわいかったから?
そ、そうだよ。
アイドルみたいなかんじ・・・?
この気持ちのウキウキには
これといった理由は、ない。
はずだ・・・・・。