齧りかけの林檎
第21章 ● 君と二度目の ♀side
「余ってる歯ブラシある?」
あ、この前買った歯ブラシ
もう使うことになっちゃった。
「その鏡の裏にあるから開けてみて」
そう言うとドライヤーのスイッチを入れて
歩くんの髪の毛を乾かし始めた。
歩くんは鏡を開けて一瞬止まる。
もしかして元カレのだと思ってないよね?
歩くんはブルーとピンクの歯ブラシを掴むと
振り向いてなにか言っている。
「こ・・・ブオー・・・お・・・ブオー・・の!?」
「なにー?」
「これ・・・ブオー・・・れの・・・!?」