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齧りかけの林檎

第5章 ● 君の名前 ♀side




こんなにかっこいい男子高校生を、

手がこんなに冷たくなってしまうまで

何時間も待たせた挙句、

ごはんまで誘うとは何事だ。




これはもし彼の高校の女の子に、

体育館裏に呼び出されても


何も文句は言えない状況なのではないだろうか。










「え、あ、あの

 お姉さんって、

 いくつなんですか?

 って、聞いちゃだめですよね

 こんなこと!」









え、ごはんの返事は?



無視?無視なの?







「ん?わたし?27だよ」









彼の綺麗な二重の

焦げ茶色の目が、大きく見開かれた。







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