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祠の鬼

第2章 結論

当然響もそのうちのひとりで、あくまでも迷信だと思っている。



家に帰るまでの道中ずっと参加するや否やを考えていたが、結局堂々巡りでいまだに結論は出ていない。



響の家も都心から外れていて、周りは閑散としている。



家である古書店に帰ると、烏が奥の方から飛んできて響の肩に留まった。



「ただいまカフェオレ。ん?有十(アリト)は?」



その時、奥の方でドサドサッと何かが上から落ちてくる音がし、慌てて駆けつけると有十が本の下敷きになっていた。



「有十大丈夫か!?」

「あいたた……ん?あれ、兄さん帰ってたの?」

「さっきな。……で、この状況は何なんだ?本の整理でもしてたのか?」

「まあそんなとこ。常連客のリクエストで、仕入れた本を確認しようとしたら……うっかりぶちゃけちゃって」

「なるほど……ほら掴まれよ」

「ありがと」



有十を立ち上がらせると、ふとある本が目に入る。



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