テキストサイズ

祠の鬼

第5章 囲いの檻

ありさの顔から血の気が引き、有十が携帯を拾い、画面をじっと覗き込む。



「……本物、だね。質が悪いなほんと……って、兄さん?」



ありさの隣で自分の携帯を有十と同じように見つめ、響が呟く。



「メール、きてた」

「メール?」

「……ああ。画像付き、で」



そう言って、有十の前に携帯を差し出す。



「…………黒いユリ」



添付されていたのは死体ではなく、黒いユリの花。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ