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祠の鬼

第5章 囲いの檻

響はため息を吐いた。



「花言葉は……確か、恋と呪いだったな。まあこの場合、間違いなく呪い、なんだろうけど」



【件名】
囲いの檻



因果応報。



因果律。



本文は簡潔で、やはり宛先不明のメール。



ちらりと響がありさを見れば、可哀想なくらいガタガタと震えていて、声は届きそうにない。



「……宛先不明か。しかも、アドレス自体が存在してない……これじゃあ、まるでホラーだろ」



調べる事もできない。



黙り込んでいた有十が、ゆっくりと口を開く。



「……兄さん。俺も調べるの、手伝う。どうやら、鬼は空想の産物だけじゃない、みたいだから」



それから有十はしばらく自室に籠るから、とこの場を後にした。



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