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祠の鬼

第7章 空白を埋めるもの

……外見が、違う?



響は顔には出さないものの、驚きを隠せないでいた。



スラリとしたモデル体型の、腰まで届くほどのアイスブルーの長い髪。



まるで別人だろ……



ありさをちらりと見れば、かわいそうなくらい脅えていた。



響が黙っていると、ふふっと少女は笑う。



「いい事教えてあげる。私は南田沙夜であって、南田沙夜ではないの。

ただの、代わり……南田沙夜の空白を埋めるものよ」



響は唖然とする。



まるで現実味がなく、上手く頭が回らない。



空白を埋めるもの?



一体何がどうなってる?



混乱してる響をよそに少女は楽しげに言った。



「教室では南田沙夜だけど、私の事は――和姫(カズキ)って呼んで。じゃあまたね……ありさと永津間くん」



気がつけば、そこには誰もいなかった。



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