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アイドル様の、ホントのお顔

第2章 ~はじまり~

「……い、起きろ。」

「………ん?」

っ…頭が痛い。 今、何時だ?

「おい、遼馬。」

「…っ…なんだよ…?」

痛む頭を押さえながら、薄く目を開ける。

「カシャッ。」

「…は?」

なんか…嫌な予感が…

「よし。 よく撮れてるな。」

「はぁ!?」

またかよ。

「ふざけん…」

「俺はもう仕事に行くから。」

携帯をポケットにしまいながら、あいつは扉に手をかけた。

「ちゃんと晩飯作っておけよ。」

「ちょ、おい…」

止める間もなく、あいつは行ってしまった。

「………っていうか、写真!!」

今俺…上半身裸なんだけど…

「まじかよ…」

いいことには使われないだろう。

「はぁ…」

まだ二日目だけど…今すぐ家に帰りたい。

「まだ五時半…」

あいつ…朝早いんだな。 朝飯とかは用意しなくていいのか?

「……………」

今、すごい自然にあいつの世話をしようとしてなかったか?
無理矢理させられてるんだぞ?

「…朝飯作ろ…」

変な考えを振り払い、リビングに入る。

「?」

テーブルの上に、お金とメモが置かれていた。

『これで好きなもの買って食え。 何かあったら携帯に連絡しろ。』

一番下には、あいつのものだと思われる携帯の番号。

「簡単に教えんなよ…」

俺がこの番号を言いふらさない根拠がない。

「…………」

俺のことを…信用してくれているのだろうか。

……ちょっと嬉しいかも。

「ぅわっ!?」

びっくりした…電話か…

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