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アイドル様の、ホントのお顔

第2章 ~はじまり~

「さっさと楽屋に戻るぞ。」

「…あぁ…」

ふいっとそっぽを向いてしまったあいつ。

「………」

っていうか、なんでそんなに機嫌悪いんだよ。

俺、なんかしたか?

「おい、REN。」

「なんだよ。」

楽屋に戻ると、西さんが困った様子であいつに声をかけた。

「剛さんにあんな態度をとるのはやめろ。 大先輩なんだからな。」

「……わかったよ。」

剛さんじゃなかったら、絶対に許してくれなさそうだよな。

さっきの態度は。

「ほら、さっさと準備しろ。 次は雑誌の撮影があるだろ。」

「はいはい。」

そういえば…さっき、剛さんはあんなこと言ってたけど…

剛さんはそっち系なのか?

そんな話聞いたこともないけど…

「おい。」

「!!」

そんなことを考えていたら、あいつが声をかけてきた。

「行くぞ。」

「……は?」

行くって…どこに?

雑誌の撮影に俺も同行しろってか?

「俺…もう帰るつもりだったんだけど。」

「は? なに言ってんだお前。」

お前がなに言ってんだよ。

「いや…俺がついて行っても邪魔にしかならないだろうし…」

「いいから来い。」

いや、だから…
どうしてお前はそうなんだよ。

どんだけ自分勝手なんだ。

「お前に拒否権なんてないって言ったよな?」

「……………」

…そうでしたね。

「行くぞ。」

「………」

帰って勉強したかったのに…

「はぁ…」

あいつに続いて楽屋を出ると、西さんの後について駐車場に向かった━━━。


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