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アイドル様の、ホントのお顔

第2章 ~はじまり~

「あれ? RENに連れがいるなんて珍しいな。」

「!!」

この声…

「剛さん…お疲れ様です。」

「お疲れ。 その子…友達?」

剛さんだ…

「まぁ…そんなところです。」

「へぇ~…ずいぶんと可愛い子だね。」

「……………」

は?

今…剛さんは何て言った?

可愛い? 誰が?

「ははは!! いいね、その顔。」

「はぁ…剛さん、勘弁して下さいよ。」

え…っと……

「君、俺のタイプだなぁ。 今度一緒に遊ぼうよ。 ね?」

「やめておいた方がいいですよ。 こいつ、全然可愛い性格してませんから。」

「え、ちょっ…!!」

お前に俺の何がわかるんだよ。

って思ってたら、あいつは俺の腕を引いて剛さんの前をスタスタと通り過ぎていく。

「またね。」

「ぁ…」

通り過ぎる時、剛さんがそう声をかけてきたので、慌てて会釈すると、面白そうに笑う剛さんが。

「………………」

「………なぁ…」

で、スタジオを出て楽屋に戻るあいつ。

いや、それはいいんだけど…

いい加減、腕放してくれないか?

「おい。」

「…なんだよ。」

楽屋に戻る途中。 二回ほど声をかけると、あいつはようやく振り返った。

「離せよ。」

「……………」

さっきから、通り過ぎる人たちに見られて恥ずかしいんだっての。

「………………」

俺の言葉を渋々承諾したあいつは、やっと腕を離してくれた。

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