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ドラクエらんど

第15章 ひなた王子

「キャアアアアアアアアッ!!」

「…っ!」



突然、どこからか甲高い悲鳴が聞こえてきた。
校庭? いや……中からだ!



オレは急いで屋上を飛び出した。
実はあの突風が吹いた時から、何か嫌な予感はしていたんだ。
何か良くないことが、これから起きるんじゃないかって…。



階段を降りると、踊り場につくし先生と数人の女子たちがいた。
さっきオレに告白してきた女子の付き添いの奴らだ。



「ひ、ひなた先輩っ……ゆり……ゆりが!!」



オレに気付いた女子たちが、泣きそうな顔をして廊下を指差す。
何事かとその方向を見ると…



『ガァァァァァァ!!』



ボロボロの服を着た人間……らしきものが、座り込むゆりに近付き、今まさに襲いかかろうとしていた。



「…っ!」



オレは考える暇もなく階段を一気に駆け降り、その勢いでそいつの頭目がけて回し蹴りを喰らわせた。



『グガァ!』



呻き声を発しながら、そいつは横に吹っ飛ぶ。



「……大丈夫かっ!?」

「…ひ…ひなた先輩……」



ガタガタと涙目で震えてるゆり。



「こ、こわかっ……」



オレは震えるゆりの肩に手を置こうとして、手を引っ込めた。

慰めるのは、オレの役目じゃない…。



「ゆり!!」

「ひなたくん!」



つくし先生と女子たちがオレたちのもとに集まってきた。



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