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ドラクエらんど

第15章 ひなた王子

女子たちがゆりの体を起き上がらせるのを横目で見つつ、オレは襲ってきた奴の顔を見ようとした。



「ひなたくん、待って!」


つくし先生が止める。



「あ? なん……」

「逃げるのよ!」

「…えっ…」



真剣な顔でそう言われて、オレはつくし先生に腕を引っ張られた。



「あなたたちも一緒に来て!」


つくし先生はゆりと女子2人にも声をかける。
オレたちはわけもわからず、つくし先生の後を追った。



廊下を走っている間、あちこちから悲鳴が聞こえた。
さっきの奴みたいなボロボロの服を着た奴も遠目に何人か見かけた。



あれは一体なんなんだ?
見た目人間に見えるけど……一瞬、血生臭い匂いがした。



「ここに入って!」



つくし先生は保健室にオレたちを促すと、すぐさま鍵をかけた。そして更に外の窓の鍵も確認し、カーテンを閉めていく。



「な、なにしてるんですか!?」


ゆりの友達の一人が言う。



「静かに!」

「…っ…」



鋭く言われ、オレたちは口をつぐんだ。
走ってきたため、呼吸音と心臓の音がうるさく鳴り響く。



そのうち、どこからかまたあの声が聞こえてきた。



『ガァァァァァァ…』



ズリ…ズリ…と何かを引き摺る音がする。



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