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ドラクエらんど

第17章 選ばれしもの

ザクッ…!!



その時、耳元で激しく何かが地面に突き刺さる音が響いた。



「──えっ…」



あたしの大事な茶髪の髪がハラハラと宙に舞い上がる。
顔スレスレに何か冷たいものが触れた。



「…なに、これ…」



それに気づいた瞬間、あたしの全身が総毛立った。



それは銀色の大きなフォークだった。
あの天使があたしたちに向けて投げたっぽい。



「…くっ!」



あたしに覆い被さったままのれんじが苦しそうに顔を歪ませる。



「…れんじ…?」



よく見ると、れんじの右肩からは大量の血が流れていた。



「当たったの!?」

「…少し、かすっただけだ…」



れんじは胸を上下させながら、荒々しく呼吸をしている。大量の汗が顎を伝って、あたしの胸元に落ちていた。
もしかして今頃媚薬が効いてきた…?



「あら、手元が狂ってしまいましたわ」

「!」



ゴスロリ天使が目の前に現れた。
フランス人形のような顔をして、不気味に笑っている。



「ふふ…今度こそ二人同時に串刺しにしてあげますわ」



ゴスロリ天使──ううん、ゴスロリ悪魔は地面に突き刺さったフォークに手を伸ばした。



「きゃあっ!」



そうはさせるもんかと、あたしはゴスロリ悪魔のスカートを思いっきり引っ張った。



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