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ドラクエらんど

第19章 ビッツの館 (後編)

その醜い顔を見せてやりたいわと思った時、館の屋根辺りがキランッと光った。



「あれは…」



YUIさんだ。
YUIさんが大きめの鏡を持って立っている!



「あいつ、何を…」



れんじもひなたくんも昭玄さんも手を止めて、YUIさんの方に注目した。
ちょうどYUIさんの立っているそばに、ビッツの顔がある。



「ビッツ! 自分の顔をよく見るがいい!!」



YUIさんがそう叫ぶと、反射的にビッツは鏡の方に振り向いた。



『……え……?』



鏡をジッと見て、目を見開くビッツ。
根っこの動きが止まった。



『……これは、誰……?』



鏡に写る自分の姿を見て、首を傾げるビッツ。



「あなたは自分の周りに鏡を置くことを嫌っていた。なぜならば、自分の姿が醜いとわかっていたからだ」


『……あたし? これがあたしなの?』


「あなたは顔ならず、心までも醜い化け物だ」


『……いやっ、イヤァァァァァァァァァァァァ!! 美しくないぃぃぃぃぃぃぃ!!』



ビッツが顔を歪ませて暴れだす。
巨大根っこが館を破壊し始めた。



「YUIさん!」



足場が崩れ、落下しそうになったYUIさんをうまいこと月影がキャッチした。


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