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ドラクエらんど

第20章 武器屋の娘

「姉ちゃん、これはあんたが彫ったのか?」

「私は何も知らないわよ! 気づいたらここにあったから、お父様が大事にしてるものかと思って…」



その時、お店のドアが開いた。



「ヒイラギ? なにやら騒がしいけど何かあったのかい?」



入ってきたのはお父様とレンゲだった。



「お父様!」



私はホッとして、竹の棒を持ったままお父様のもとに駆け寄った。



「ヒイラギ、それ…! もしかして記憶が戻ったのかい?」

「えっ…」

「それはヒイラギが大切に持っていたものだよ、やっと思い出したのかい?」

「……」



この竹の棒は私が持っていたもの?
記憶が戻った?
一体どういうことなの?



「お父様、ヒイラギが戸惑ってるわ。まだちゃんと記憶が戻ってないんじゃないかしら。お客様もいらっしゃるし、話はあとからにした方がいいと思うわ」



レンゲもワケわからないことを言ってる。
どうして…まるで私が記憶喪失みたいな言い方するの?



「旅のお方たち、すみません。買い物はまた明日にして頂いてもよろしいでしょうか?」



お父様と彼らがなにやら話している。
私が持ってる竹の棒をチラチラ見ている。
これがなんだっていうの?
全然意味がわからない…。



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