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「伝説の剣、ロトか…。聞いたことはないけれど、気になるな。ちょっと調べてみるか」

「お父様…」

「明日は店を閉めることにしよう。その黒装束の男がいつまたこれを奪いに来るかもしれないから、戸締まりをして、ヒイラギはレンゲと一緒に部屋にいるように」

「でもお父様、明日はあの旅の方たちが買い物に来るんじゃ…」

「ヒイラギは自分のことが知りたいかい？」

「え…、う…ん…」

「それなら彼らに来てもらおう。話を聞けばもしかしたら何か思い出すかもしれない」

「そうね…」

「さあ、今日はもう遅いからおやすみ」



私は不安を抱きつつも、お父様に向かって微笑んだ。



私はお父様の娘じゃない…。
それが一番ショックだった。
ずっと家族のフリをしてくれていたなんて…。



「ヒイラギ」



部屋に戻るとベッドにレンゲが座っていた。



「お父様から話は聞いた？」

「うん…。私はこの家の子じゃなかったんだね」

「でも私はヒイラギのこと、本当のお姉ちゃんと思って接してきたわ」

「…ありがとう」

「だから記憶を戻したとしても、あなたはずっと私たちの家族よ」

「……」



記憶を戻したら、私は本当の家族のことを思い出すだろう。
そしたらきっとここにはいられなくなる。



「…レンゲ、ありがとう。おやすみなさい」



複雑な思いを抱きながら、私は朝を迎えた。