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ドラクエらんど

第20章 武器屋の娘

翌日、武器屋に来たのは若い男の人だけだった。



「あの、他の人は?」

「すみません、みんな二日酔いで潰れてて」

「二日酔い?」

「昨夜は久しぶりにゆっくりできたから、みんなで呑もうって話になって。あ、でもオレは未成年なんで呑んでないですけど」

「未成年?」

「17歳、ですけど」



17歳?
レンゲよりも年下だわ!



「宿屋でみんな休んでます。とりあえずオレだけでも武器揃えちまおうかと思って。あと話があるんですよね」



彼は淡々と話す。
あの優しい彼がいないのは残念だけど、二日酔いなら仕方ないか…。



「私はヒイラギ。あなたのお名前は?」

「ひなたです」

「ヒナタ…」



どこかで聞いたことのある名前ね。



「ヒナタ? ヒナタ王子と名前が似てるわね」

「ブッ…!」



レンゲがそう言うと、ヒナタは飲みかけていたお茶を吹き飛ばした。



「ちょっと、大丈夫!?」

「す、すみませんっ…」



ヒナタは動揺している。



「そういえば昨日イステリア城の兵士から聞いたの。ヒナタ王子、またお城を抜け出したみたいで…」



私とレンゲはヒナタの顔をジッと見た。



「なんだか…ヒナタ王子に似てない?」

「言われてみれば…」



私は一度しか見たことないけど、確か王子も17歳だったのよね。
まさか…。




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