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ドラクエらんど

第20章 武器屋の娘

「ちょっ…オレはイステリア城の王子なんかじゃ、ないですよ…!」

「そうなの? 顔すごく似てるけど」



レンゲがヒナタの顔をジッと見て言う。



「似てるけど、瞳の色が違うわ。王子はエメラルドグリーンだけど彼は茶色いもの」

「え…」



私の言葉にヒナタが反応した。
ヒナタ王子は一度しか見たことないけど、瞳の色が綺麗な緑色だったから印象に残ってた。



「そういえばヒイラギの瞳の色も茶色ね」



私はレンゲの言葉にハッとした。
そうだ、この辺りの住民の瞳はみんな青色だ。
みんなと私はどこか違うと感じてたのは、瞳の色が違うからだったんだわ。
やっぱり私は異世界の人間なの?



「あの…そのヒナタ王子は今どこにいるんですか?」



神妙な面持ちでヒナタが聞いてきた。



「わからないわ、いつもは側近のレイン様にだけは行き先を告げて出掛けるのに、今回はレイン様も知らなくて。そのレイン様もヒナタ王子を探しに行ったきり戻ってこないらしいの」

「…っ…」



ヒナタは驚いた表情でレンゲを見た。



そういえば昨日ヒナタたち、"レインさんが心配してる"って話してたわよね…。
もしかしてそのレインって…。



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