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ドラクエらんど

第20章 武器屋の娘

意識が朦朧とする。
毒の回りがこんなに早いなんて、早く助けを呼ばないと…!
私はまだ麻痺していない左手でスマホを握りしめた。



ヴヴッ…



突然スマホが震えた。
真っ暗だったところが急に光り始める。



「…な、に…」

「…ヒイラギ!?」



その時バタンと扉が開く音がして、レンゲが勢いよく入ってきた。



「あなた…何してるのよ!!」

「…だめ…レンゲ…」

「それはヒイラギのよ! 返しなさい!!」



レンゲが黒装束の男に掴みかかろうとすると、


「ギャンギャンうるさい小娘だ」


男はレンゲを突き飛ばした。




「レンゲ!!」



ゾワッと怒りがこみ上げてきた。
体の底から怒りのパワーがみなぎってくる。



「よくも、レンゲを…」



私はそばに立て掛けてあった槍を握りしめ、男に斬りかかった。右腕は麻痺して感覚がないはずなのに、無我夢中で槍を振り回す。



「小娘がっ…」



男を壁際に追いつめると、私は槍の先を男の喉元に突きつけた。



「その剣を置いて今すぐ立ち去れ!」



普段の自分の声とは違う低い声が私から発せられる。自分でも驚いた、こんな力が…別人のような声が出るなんて。


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