ドラクエらんど
第21章 星見の塔 (前編)
さっきの女性はすでに回復したようです。
万能薬は本物だったみたいですね。
あっしの1000円札が役に立って良かったです。
「女性一人で行くのは危険です! ここは俺たちに任せて…」
「ダメなんです! 私じゃないとレンゲを助けることはできないんですっ…!」
「ヒイラギさん…」
女性はヒイラギ殿と言うのですね。
なにやら訳ありみたいです。
「ちょっと失礼するわよ」
あっしらはゾロゾロと部屋の中にお邪魔しました。
「あ、あなたたちは…?」
「勝手にごめんなさいね。話は聞かせてもらったわ。あなた、実戦はあるのかしら?」
「たぶん…あると思います」
「たぶん?」
「記憶がないんです…。どうやら私も皆さんと同じ、異世界からきた人間みたいで…」
そう言うとヒイラギ殿はスカートのポケットからスマホを取り出しました。
「あなたもプレイヤーなの?」
「わからないんです…。でも、たぶんそうだと思います。私の妹のレンゲが黒装束の男に突き飛ばされた時に、体が勝手に動きましたから…」
ヒイラギ殿はあっしらに、一年前にここの主人に助けられて武器屋の娘として住んでいたこと、昨日黒装束の男に突然襲われたこと、伝説の剣を奪われそうになったことを話してくれました。
見ず知らずのあっしらに話すなんて、よほど切羽詰まってるんでしょう。
なんとかしてやりたい気もします。
万能薬は本物だったみたいですね。
あっしの1000円札が役に立って良かったです。
「女性一人で行くのは危険です! ここは俺たちに任せて…」
「ダメなんです! 私じゃないとレンゲを助けることはできないんですっ…!」
「ヒイラギさん…」
女性はヒイラギ殿と言うのですね。
なにやら訳ありみたいです。
「ちょっと失礼するわよ」
あっしらはゾロゾロと部屋の中にお邪魔しました。
「あ、あなたたちは…?」
「勝手にごめんなさいね。話は聞かせてもらったわ。あなた、実戦はあるのかしら?」
「たぶん…あると思います」
「たぶん?」
「記憶がないんです…。どうやら私も皆さんと同じ、異世界からきた人間みたいで…」
そう言うとヒイラギ殿はスカートのポケットからスマホを取り出しました。
「あなたもプレイヤーなの?」
「わからないんです…。でも、たぶんそうだと思います。私の妹のレンゲが黒装束の男に突き飛ばされた時に、体が勝手に動きましたから…」
ヒイラギ殿はあっしらに、一年前にここの主人に助けられて武器屋の娘として住んでいたこと、昨日黒装束の男に突然襲われたこと、伝説の剣を奪われそうになったことを話してくれました。
見ず知らずのあっしらに話すなんて、よほど切羽詰まってるんでしょう。
なんとかしてやりたい気もします。