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ドラクエらんど

第21章 星見の塔 (前編)

「傷の手当てありがとうございました。でも私、すぐに行きたいんです! こうしている間にもレンゲが…」

「ヒイラギさん…だったかしら? 気持ちはわかるけど、戦いに準備は必要よ。相手は毒矢を放ってくるくらいだもの、あなたを殺す気でいるわよ」

「…っ…」

「今回はたまたま助かったけど、一歩外へ出ればどうなるかわからない。未熟者が闇雲に戦ったって早死にするだけよ。だからしっかりと体制を整えましょう」



さすがつくし殿です。
だてに教師やってません。
なんて、あっしはよく知りませんけどww



「そうね…死んでしまったらもう…」



何かを思い出したのか、まあや殿も顔を曇らせました。



「…わかりました。じゃあ今すぐお城に…」

「大変だ、ヒイラギ! ゲンさんが…!!」



その時、町の男が部屋の中にドタバタと入ってきました。



「お父様がどうしたの!?」



『ゲンさん』とはヒイラギ殿のお父様の名前だそうです。



「森でモンスターにやられた! 今、教会に担ぎ込まれて…」

「!!」



男が最後まで言い終わらないうちに、ヒイラギ殿は部屋を飛び出しました。



「私たちも教会へ行きましょ!」



ヒイラギ殿を追って、あっしらも教会へ急ぎます。
姉さん、緊急事態です!
なんて冗談言ってる場合じゃありません!



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