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ドラクエらんど

第21章 星見の塔 (前編)

教会に着くと、扉の前には町の人たちが沢山いました。それを掻き分けてヒイラギ殿とあっしらは中へ入っていきます。



「お父様っ…!!」



教会の奥には棺が置いてあり、傷だらけになった男が目を閉じて横たわっていました。その側には神父や町の人たちが悲しそうな顔をして立っています。



「ほら、ゲンさん! ヒイラギちゃんが来たよ!」



恰幅のいいおばさんがゲン殿に呼びかけます。
しかしゲン殿は起き上がりません。



「…っ…」



ヒイラギ殿がゆっくりとゲン殿の顔を覗きました。



「お父様…眠ってるの?」



ヒイラギ殿が恐る恐る問いかけますが、ゲン殿は答えません。
固く目を閉じ、息はしていないように見えます。



「…うそでしょ…こんなのっ…」



ゲン殿の服を掴み、体を強く揺さぶるヒイラギ殿。



「お父様、目を覚まして!!」

「……」

「レンゲがっ……レンゲが大変なの!!」

「……」

「私のせいでっ…早く助けにいかなきゃ!! だからお父様、目を覚ましてっ…!!」



必死に呼びかけますが、やはりゲン殿は目を閉じたまま動きません。



「…嫌よ、こんなのっ…」



ヒイラギ殿は頭を左右に振りながら後ずさります。



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