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ドラクエらんど

第21章 星見の塔 (前編)

「ヒイラギ、これを…」



後ずさるヒイラギ殿の前に、神父様がペンダントを差し出しました。



「最期にゲンさんがヒイラギにこれを渡してくれと言ってな…」

「…え…」



そのペンダントを受け取るとパカッと開き、小さな写真が見えました。



「…これは…」



その小さな写真に写ってたのは、ヒイラギ殿とヒイラギ殿のご両親?
しかし父親の顔はゲン殿ではありません。



「ゲンさん…探したいものがあると言って、一人で森へ行ったんじゃ。あそこは危険なモンスターがいるからと止めたんじゃが、大事なものだからと言ってな…」

「ああ、お父様っ…!」



ヒイラギ殿は目に涙を溜めながら、そのペンダントを強く握り締めました。



「…助けられず、すまない。残念だが、ゲンさんはもう…」

「わかってます…! わかってるけど…」



ヒイラギ殿は現実を受け入れることができないようです。無理もありません。



「ところでヒイラギ、レンゲを助けなければいけないって、どういうことだ? レンゲに何かあったのか?」



青年の言葉でヒイラギ殿はハッとしました。



「そうだ、レンゲっ…早くレンゲを助けにいかなきゃ!!」



ヒイラギ殿はまた一人で教会を飛び出しました。



「絶対あの子を一人にしちゃだめよ!」



つくし殿の言葉に頷き、あっしらはヒイラギ殿を再び追いかけます。



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