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ドラクエらんど

第21章 星見の塔 (前編)

ヒイラギ殿、意外と足が速いです。
よくゲームのイベントでキャラの動きが速すぎて見失うことがありますが、扉開けると待ってたりしますけど、ヒイラギ殿もそうなんでしょうか。



「ヒイラギさん、待ってください!」



月影殿がヒイラギ殿の腕を掴みます。



「離してくださいっ!」

「ヒイラギさん、まずは落ち着きましょう!」

「落ち着いてなんていられない! もう私一人で行くから!」

「一人は危険です! レンゲさんを助ける前にあなたが死んでしまいます!」

「…っ…」

「あなたが死んだら…お父さんもレンゲさんも悲しみます!」

「…悲しむって…もうお父様はいないわ! レンゲだってもう生きているかどうか…」



ヒイラギ殿の目から涙がこぼれます。



「私が二人を巻き込んだの! 私さえいなければこんなことにはならなかっ…」



その時、月影殿がヒイラギ殿を抱きしめました。



「え!」

「あらっ」

「きゃっ//」



まあや殿、つくし殿、ゆり殿がそれぞれ反応します。



「…つ、月影さんっ…?」

「…少しこのままで」



月影殿の腕に包まれたヒイラギ殿は驚きながらも、顔を胸に埋めました。



さすが、月影殿…。
一瞬でヒイラギ殿を黙らせてしまいました。
もしあっしがやったら、鉄拳が飛んできそうです。



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