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ドラクエらんど

第21章 星見の塔 (前編)

しばらくその状態が続いた時、まあや殿がため息を漏らしました。



「…私、宿屋に行ってくる。アキラくんと装備整えて待ってるから、ゆりちゃん、出発の準備ができたら電話してくれる?」



ゆり殿にそう伝えると、まあや殿は足早に宿屋がある方向に歩いて行ってしまいました。



「ふふ、複雑な乙女心ってやつかしら」

「えっ、まあやさん、もしかして…」



やはりイケメンはモテモテですね。羨ましい限りです。色々とめんどくさそうですが。
というか作者殿、ムリやり恋愛要素入れようとしてるのバレバレですよww



「…落ち着きましたか」

「……はい」



鼻をスンッと鳴らしながら、ヒイラギ殿は月影殿からゆっくりと離れました。まだ瞳は潤んでいます。



「ヒイラギさん、絶対に一人で抱え込まないようにしてください。仲間を頼ってください」

「仲間って…私のこと仲間だと受け入れてくれるんですか?」

「もちろんです。記憶をなくしたとはいえ、あなたも俺たちと同じプレイヤーなのですから、一緒に元の世界へ帰りましょう」

「元の…世界へ…」



ヒイラギ殿はゲン殿からもらった写真入りペンダントを見つめました。



「でも私が元の世界へ帰ったら、レンゲが一人になっちゃう…」



ヒイラギ殿が再び泣きそうな顔になったので、あっしはない頭で考えてみました。



「あの~思ったんですけど、ここの道具屋に『世界樹の葉』は売ってないんですかね?」



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