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ドラクエらんど

第21章 星見の塔 (前編)

「おお、そなたたちが我が息子を連れてきてくれたのだな」



あっしらは王様の言葉に目を丸くしました。
ひなた殿と目を合わすと、ひなた殿は顔をプルプルさせています。



「どういうこと? この世界ではひなたくんは本当の王子ってことなの?」



つくし殿がコソッとあっしに耳打ちすると、隣にいたヒイラギ殿が2、3歩前へ進みました。



「王様! 私は武器屋の娘、ヒイラギです。突然のご無礼、お許しください!」

「ん? 武器屋の……ゲンの娘か」

「父は魔物に襲われて…先程息を引き取りました…」

「なんと!?」

「しかも、私の妹のレンゲが何者かにさらわれてしまって…。王様、今すぐ私は星見の塔に行かなくてはならないのです! どうか、力をお貸しください!」



ヒイラギ殿は深く頭を下げました。



「なぜそんなことに…。ゲンは我が国の兵士に劣らぬほどの腕だったはず。魔物が強化したのか…? ううむ、大臣よ! 今すぐ兵を集めてヒイラギと共に星見の塔へ向かうのだ!」

「かしこまりました、王様」



すぐに大臣が兵士たちに指示を出すと、途端に周りは慌ただしくなりました。



「ちょっ…それ、どういうことだよ!?」



ヒイラギ殿の話を聞いたひなた殿は、青ざめた顔でヒイラギ殿を見ました。



「ヒナタ王子とレンゲがレイン様に会いに行った後、黒装束の男が現れたの」

「…っ…」

「レンゲを返してほしければ、伝説の武器を星見の塔に持ってこいって言われて…」



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