ドラクエらんど
第21章 星見の塔 (前編)
「…ええ、そうですね。あなたに出会った時は殿下かと思いましたが、あなたから名前を呼ばれた時にすぐに気がつきました」
「名前…? 目の色じゃなくて?」
「それもありますが、殿下は私のことを『レイ』と呼ぶんです。雨が、嫌いなので」
「…え…」
「殿下が戻るまで、あなたを殿下の身代わりにしようとしました。ご無礼をお許しください」
レイン殿の話にビックリです。
「…やっぱりオレを利用しようとしたんだな」
「否定はできません」
ハアッとひなた殿は荒々しく息を吐きました。
「どうするの? 王様はひなたくんのこと、自分の息子だと信じているのよ」
「というか、いくら姿がそっくりでも自分の息子ならわかるもんなんじゃないんですか?」
あっしらがそう言うと、
「陛下は目が悪いのです。いや、目だけじゃなく、あちこち病気を患っています。だから一刻も早く殿下を一人前にしたいのです。本来なら私が殿下を探しだして連れてくる予定でしたが、キメラの翼を使った時になぜか違う場所に飛んでしまって…。こんなことは初めてです。きっと今頃殿下も迷っているはずです」
レイン殿は眉間にシワを寄せました。
「オレは学校で会ったんだ、あいつと…」
「!」
「学校の屋上で見た。あんたと同じ、エメラルドグリーンの瞳をした王子をな」
「屋上にそんな子いたかしら」
「あっ、もしかしたら、あっしらがゲームに登録したことによって時空の歪みが発生して二つの世界が融合した? …いや、でもこの世界はゲームの世界であるからして現実とは本当の現実ではなく…」
「やんす、黙って」
「名前…? 目の色じゃなくて?」
「それもありますが、殿下は私のことを『レイ』と呼ぶんです。雨が、嫌いなので」
「…え…」
「殿下が戻るまで、あなたを殿下の身代わりにしようとしました。ご無礼をお許しください」
レイン殿の話にビックリです。
「…やっぱりオレを利用しようとしたんだな」
「否定はできません」
ハアッとひなた殿は荒々しく息を吐きました。
「どうするの? 王様はひなたくんのこと、自分の息子だと信じているのよ」
「というか、いくら姿がそっくりでも自分の息子ならわかるもんなんじゃないんですか?」
あっしらがそう言うと、
「陛下は目が悪いのです。いや、目だけじゃなく、あちこち病気を患っています。だから一刻も早く殿下を一人前にしたいのです。本来なら私が殿下を探しだして連れてくる予定でしたが、キメラの翼を使った時になぜか違う場所に飛んでしまって…。こんなことは初めてです。きっと今頃殿下も迷っているはずです」
レイン殿は眉間にシワを寄せました。
「オレは学校で会ったんだ、あいつと…」
「!」
「学校の屋上で見た。あんたと同じ、エメラルドグリーンの瞳をした王子をな」
「屋上にそんな子いたかしら」
「あっ、もしかしたら、あっしらがゲームに登録したことによって時空の歪みが発生して二つの世界が融合した? …いや、でもこの世界はゲームの世界であるからして現実とは本当の現実ではなく…」
「やんす、黙って」