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ドラクエらんど

第9章 私、もう……

「おはよう。どうしたの?」



少女を部屋に運ぶと、まあやさんがキッチンで水を飲んでいた。



「あ、女の子が外で倒れてて…まあやさん、お腹の具合は?」

「もう大丈夫。てか、さっきから気になってたんだけど、この兎ちゃんは何者?」



まあやさんは二本足で立っている兎太郎を指差した。



「話すと長くなるけど、昨夜ちょっと危ないところを助けてもらって…」

『ボクのことは兎太郎様と呼ぶぴょん!』



僕の言葉を遮って兎太郎がまた偉そうに言う。



「あ、そう。で?」

『!!』



まあやさんに軽く流されて、兎太郎は僕に泣きついてきた。



「どうも僕たちとは違って、このドラクエの世界の住人らしいんだ」

「そうなんだ」

『ボクはエリート黒魔導師だぴょん!』



兎太郎が僕の足にしがみつきながら言う。



「黒魔導師? へぇ…じゃあ攻撃魔法もバンバン使えるんだ?」

『もちろん! 炎系も氷系もバッチシ使えるぴょん! だから安心して……』

「じゃあ私が抜けても大丈夫ね」


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