
20年 あなたと歩いた時間
第11章 手探りの日々
友達も適当にいるし
学校生活が楽しくないわけではない。
勉強も嫌いではないから
成績も悪くはない。
だけど。
違うんだ。
多分、一生懸命になることのベクトルが
みんなと違うんだ。
それはずっと子どものころからそうで
だから特に疑問に思ったことはなかった。
僕と、ゆい。
少しだけ浮いていることに
気づいていないわけではない。
この進学校において、勉強よりも
部活に力を入れているように見える僕と
少し耳が不自由なゆい。
僕は一年生の最初からゆいのことが好きだ。
隣の席で、補聴器をつけた耳を隠さないで、
髪を頭のてっぺんでまとめていた、ゆい。
(…生まれ変わりって、信じる?)
突然そんな質問をされたにもかかわらず
ゆいは、ちゃんと答えてくれた。
(信じる。私も、誰かの生まれ変わりだと思うから)
本気で、自分が誰かの生まれ変わりだと
思っているやつに、初めて出会った。
日本人形のような、白い肌。
どこかで見たことのある、切れ長の澄んだ目。
生まれ変わりだとしたら、君は、誰の?
僕は、探している。
あいつの生まれ変わりは
僕なんだという確たる証拠を。
学校生活が楽しくないわけではない。
勉強も嫌いではないから
成績も悪くはない。
だけど。
違うんだ。
多分、一生懸命になることのベクトルが
みんなと違うんだ。
それはずっと子どものころからそうで
だから特に疑問に思ったことはなかった。
僕と、ゆい。
少しだけ浮いていることに
気づいていないわけではない。
この進学校において、勉強よりも
部活に力を入れているように見える僕と
少し耳が不自由なゆい。
僕は一年生の最初からゆいのことが好きだ。
隣の席で、補聴器をつけた耳を隠さないで、
髪を頭のてっぺんでまとめていた、ゆい。
(…生まれ変わりって、信じる?)
突然そんな質問をされたにもかかわらず
ゆいは、ちゃんと答えてくれた。
(信じる。私も、誰かの生まれ変わりだと思うから)
本気で、自分が誰かの生まれ変わりだと
思っているやつに、初めて出会った。
日本人形のような、白い肌。
どこかで見たことのある、切れ長の澄んだ目。
生まれ変わりだとしたら、君は、誰の?
僕は、探している。
あいつの生まれ変わりは
僕なんだという確たる証拠を。
