
20年 あなたと歩いた時間
第12章 君が生きた日々
「…のぞみ?」
「んー?」
「ずっと笑ってて。そのためなら、おれ、何だってする」
「…流星?どうしたの?」
枯れ葉が全部落ちて、
見通しのよくなった公園でこんなことを
言うのは気恥ずかしかった。
心の中、全部さらけ出してるみたいで。
隠してる自分の弱さを、全部のぞみに
見られそうで。でも、言いたい。
「うまく言えないんだけどさ、おれ、のぞみが笑ってると何だってできるんだ。何だろな、わかんね。でも、おまえのパワーはすごいんだ」
「んー、それ、私もおんなじ」
「え?」
「流星が笑ってると、頑張れる。…去年色々あったし、陸上もやめちゃったし…ちょっと元気なかったでしょ。だから早く笑ってほしいなーなんて…」
やっぱり心配させてたんだ。
真緒が言った通り。
気づかなかった。ダメだな、全然。
「あれ、流星」
「ん?」
「また背が伸びたね」
「うん。ほらジャケットの袖、短いんだ」
「だからいつも手に持ってるんだ。あはは、でももうすぐ卒業だもんね」
そう言ってのぞみは背伸びして僕の頭を
さわった。
小さな手から温もりを感じて、僕はまた
よからぬことを考えそうになる。
のぞみは、変わってしまうのだろうか。
いつか、その変化に僕以外の男も
気づくのだろうか。
…違う。のぞみはまだ、何も変わっていない。
変わったのは、僕だ。
僕の捉え方が変わったんだ。
これを、恋と言わずして
何と言うのだろうか。
のぞみはそう思っていなくても、僕は、
君に恋をしている。
きっと、この命が続く限り。
「んー?」
「ずっと笑ってて。そのためなら、おれ、何だってする」
「…流星?どうしたの?」
枯れ葉が全部落ちて、
見通しのよくなった公園でこんなことを
言うのは気恥ずかしかった。
心の中、全部さらけ出してるみたいで。
隠してる自分の弱さを、全部のぞみに
見られそうで。でも、言いたい。
「うまく言えないんだけどさ、おれ、のぞみが笑ってると何だってできるんだ。何だろな、わかんね。でも、おまえのパワーはすごいんだ」
「んー、それ、私もおんなじ」
「え?」
「流星が笑ってると、頑張れる。…去年色々あったし、陸上もやめちゃったし…ちょっと元気なかったでしょ。だから早く笑ってほしいなーなんて…」
やっぱり心配させてたんだ。
真緒が言った通り。
気づかなかった。ダメだな、全然。
「あれ、流星」
「ん?」
「また背が伸びたね」
「うん。ほらジャケットの袖、短いんだ」
「だからいつも手に持ってるんだ。あはは、でももうすぐ卒業だもんね」
そう言ってのぞみは背伸びして僕の頭を
さわった。
小さな手から温もりを感じて、僕はまた
よからぬことを考えそうになる。
のぞみは、変わってしまうのだろうか。
いつか、その変化に僕以外の男も
気づくのだろうか。
…違う。のぞみはまだ、何も変わっていない。
変わったのは、僕だ。
僕の捉え方が変わったんだ。
これを、恋と言わずして
何と言うのだろうか。
のぞみはそう思っていなくても、僕は、
君に恋をしている。
きっと、この命が続く限り。
