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20年 あなたと歩いた時間

第1章 14歳

「『夜空に流星を見つけるたびに 願いを託し 僕らはやってきた』って歌詞があるだろ。あの歌のタイトル知ってる?」

流星が口ずさむと、後ろから要が
流行りのシンガーソングライターの名前を
口にした。

「愛は勝つんだよ」

照れもせずに愛、だなんて言う流星と要に
真緒と私が顔を見合わせて笑った。
そして、左手を真緒が握った。
そして要が四人をあっという間に輪にした。
…ずっと、こうして四人で過ごしてきたんだ。
私は順番にみんなの顔を見る。
みんなが笑っている。
みんなが、笑っている…
この笑顔たちに、何度救われただろう。
まだ十四年しか生きていないけれど、
私たちはそのほとんどの時間を
一緒に歩いてきた。
これからもずっと、一緒に大人になるんだと
信じて疑わなかったあの頃。
目の前の毎日だけを
一生懸命生きていたあの頃。

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