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20年 あなたと歩いた時間

第12章 君が生きた日々

大学に入って、僕は十河先生の思いを知った。
それは、僕と同じベクトルの思いだった。
でも、もう僕には時間がない。
だから、僕にかわってのぞみを守る存在を
残そうと決めたのだ。
死んでも何も残らない。僕の肉体はもちろん
あきらめたくないという執念すら残らない。
だからせめて、遺伝子を。
この絶望を、希望にかえる記憶を刻んだ遺伝子を残したい。
それがのぞみを守ってくれると信じて。

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